CleanShot Xは、Macのスクリーンショットアプリとしてほぼ完成しています。

撮る、注釈を入れる、スクロールで長いページを1枚にする、画面に付箋のようにピン留めする、動画で録る、共有リンクを発行する。50を超える機能があり、細部の作り込みも丁寧です。このカテゴリで最初に名前が挙がるのには理由があります。

そのうえで、値段の話には少しだけ誤解があります。

$29は「買い切り」だが、更新は1年分

CleanShot Xの標準プランは $29の一括払い(App + Cloud Basic) です。1ドル160円換算で約4,640円。買い切りとしては十分に安い金額です。

ただ、公式の記載を読むと、この$29に含まれるのは次の内容です。

  • Macアプリのライセンス(永続)
  • 1年分のアップデート
  • 1GBのクラウドストレージ
  • 2年目以降は、任意で年$19の更新

つまり、買ったバージョンはずっと使えますが、最新版を使い続けるには年$19(約3,040円)が要ります。

これは詐欺的な話ではまったくなく、むしろ良心的な部類のモデルです。更新しなくてもアプリは動き続けます。ただ、「$29の買い切りだから一度払えば終わり」と理解している人は多いはずで、macOSが毎年変わることを考えると、実際には更新し続ける人が多いと思います。

その前提で5年間の費用を並べると、こうなります。

CleanShot XMacSide AI Pro
初年度$29(約¥4,640)¥9,800(買い切り)
2〜5年目年$19 × 4年(約¥12,160)¥0
5年合計約¥16,800¥9,800
月額プランPro $8/月(年払い)・$10/月(月払い)¥280/月

初年度だけを見ればCleanShot Xの方が5,000円ほど安く、更新を続けるなら3年目あたりで逆転します。

機能はどこまで重なっているか

費用より先に、そもそも同じことができるのかを確認した方が建設的です。

機能CleanShot XMacSide AI
スクリーンショット
スクロール撮影
OCR(画像内の文字を取得)
注釈・矢印・テキスト
モザイク・ぼかし
画面収録○(自動ズーム付き)
デスクトップアイコンを隠す
画面へのピン留め
Webカメラ合成
クラウド共有リンク・独自ドメイン
クリップボード履歴
AIチャット・AI翻訳
画像・動画・PDFの圧縮
Macのクリーンアップ

キャプチャの中核部分は、かなりの範囲で重なっています。スクショを撮ってOCRして注釈を入れる、という日常的な用途なら、どちらでも成立します。

差が出るのは3点です。

CleanShot Xを選ぶべき理由

共有リンクの発行が必要なら、CleanShot X一択です。 撮ったものをアップロードしてURLを即座に発行し、独自ドメインやパスワード保護、自動削除まで設定できる。サポート業務やチームでのやり取りが多い人にとって、これは代替の効かない機能です。MacSide AIにはこの仕組みがありません。

画面へのピン留めも独自です。 撮ったスクショを画面上に浮かせておいて、それを見ながら別の作業をする。デザインの再現や、数値の突き合わせで効きます。

Webカメラ合成も、チュートリアル動画に顔を入れたい人には必要です。

これらが業務に入っているなら、費用の比較をするまでもなくCleanShot Xが正解です。

MacSide AIを選ぶ理由

逆に、こういう状態の人には別の計算が成り立ちます。

キャプチャ「も」必要なだけの人。 スクショとOCRは毎日使うが、共有リンクは使ったことがない。この層はかなり多いはずです。撮ったものはSlackにそのまま貼るし、社内資料に貼るだけなら、クラウドを経由する必要がありません。

すでに他のアプリも検討している人。 クリップボード管理にPaste(月$2.49)、翻訳にDeepL Pro、Macの掃除にCleanMyMac(年$39.95)、と積み上げている人は、CleanShot Xの$29はその一部でしかありません。合計で年2万円を超えてから、初めて統合の話が意味を持ちます。

更新料を払い続けたくない人。 MacSide AIの¥9,800には期限がありません。

そして、MacSide AIの画面収録にはクリックに合わせた自動ズームとキー入力の表示があります。これはCleanShot Xの画面収録にはない方向の機能で、操作説明の動画を作る用途では差が出ます(詳しくは画面収録スタジオの記事に書きました)。

正直な結論

CleanShot Xは高くありません。 $29で買えるキャプチャアプリとしては、むしろ安い部類です。この記事は「CleanShot Xをやめよう」という話ではありません。

判断の分かれ目は、次の2つだけです。

  1. 共有リンク・ピン留め・Webカメラを使うか。 使うなら、CleanShot Xを使い続けてください。この3つは本当に代替が効きません。
  2. キャプチャ以外にも、小さなアプリを買い足しているか。 買い足しているなら、統合した方が総額は下がります。買い足していないなら、統合する理由はありません。

「CleanShot Xで満足しているが、クリップボード管理とAI翻訳とMacの掃除にも別々に払っている」——この状態の人にとってだけ、MacSide AIの¥9,800買い切りは検討する価値があります。

よくある質問

CleanShot Xの更新を止めたらどうなりますか

購入したバージョンは使い続けられます。最新版へのアップデートとクラウド機能が止まる形です。

スクロール撮影の性能は同じですか

どちらも画面に収まらない範囲を1枚にまとめられます。対象ページによって得意不得意が出るため、重要な用途では実際に試すことをおすすめします。

OCRの精度は違いますか

どちらも日本語・英語に対応しています。精度は画像の解像度やフォントに左右されるので、自分がよく撮る種類の画面で比べるのが確実です。

併用はできますか

できます。共有リンクだけCleanShot X、それ以外はMacSide AI、という使い分けも成立します。ショートカットが衝突しないよう、どちらかの割り当てを変えてください。

MacSide AIに無料で試す方法はありますか

初回起動から7日間の無料トライアルがあり、クレジットカードの登録は不要です。

比べるべきは、アプリではなく合計額

単体で比べると、CleanShot Xはよくできていて安い。この結論は動きません。

意味があるのは、Macに入っている小さな有料アプリを全部並べたときです。キャプチャに$29、クリップボードに月$2.49、翻訳に月¥1,380、掃除に年$39.95、ランチャーに月$8。ひとつずつは安いのに、合計すると年間で2万円を超えます。

その合計を見てから、どう組むかを決めるのが正しい順番です。CleanShot Xを外す必要はありません。外して安くなるかどうかは、残りの4つをどうするかで決まります。