「Grammarlyは日本語に対応していますか」

この検索がなくならないのは、答えが対応していないからです。Grammarlyは英語の文章を対象にしたツールで、日本語の文法チェックも敬語の判定もしません。日本語を入力しても、基本的に何も起きません。

そして、日本語で書く人が本当に困っているのは、実は文法ではありません。

日本語で困るのは、文法ではなく距離感

英語で書くとき、多くの人が不安なのは文法です。冠詞、時制、前置詞。Grammarlyはそこを埋めるツールとして優秀です。

日本語ではどうでしょうか。母語で書いているので、文法を間違えることはほとんどありません。それでも送信ボタンの手前で止まるのは、別の理由です。

  • この言い方、社外に出して失礼じゃないか
  • 「〜だと思います」が多くて、頼りなく見えないか
  • 上司に送るには、くだけすぎていないか
  • 一文が長すぎて、読みにくくないか
  • 依頼のつもりが、雑談に見えていないか

日本語の難しさは、正しさではなく距離感にあります。 同じ内容でも、相手との関係によって適切な言い方が変わる。これは文法チェッカーが原理的に扱いにくい領域です。

Grammarlyの料金と、日本語側の空白

Grammarlyの料金は、公開情報によると次の通りです。

支払い方月あたり年額換算
月払い$30/月$360
3か月払い$20/月
年払い$12/月$144(約¥23,000)

英語を大量に書く人にとって、年$144は妥当な投資です。文法、スペル、トーン提案、盗用チェックまで含まれます。英語側については、この記事で置き換えを勧めるつもりはありません。

問題は、日本語で書く量の方が多い人が、そのために年$144を払っても日本語側は何も埋まらないことです。

日本語側の選択肢

日本語の校正ツールとして定番なのは文賢です。誤字脱字だけでなく、読みやすさ、冗長表現、差別語のチェックまで踏み込みます。料金は月額2,178円(税込)/1ライセンスで、契約時期によっては初期費用がかかる場合があります。

ライターや編集者が原稿の品質を職業として担保するなら、専用ツールの深さには意味があります。

ただ、多くの人が直したいのは原稿ではありません。メールとSlackと日報です。1日に何十通も書いて、そのつど送信ボタンの手前で数秒止まる。専用ツールに原稿を持ち込むほどの作業ではないけれど、そのまま送るのは少し不安。

この層に必要なのは、深さより手数の少なさです。

選んで、ショートカット、貼る

MacSide AIのAI入力補正は、この用途に寄せた機能です。書いた文章を選んでショートカットを押すと、整った文章がクリップボードに入ります。

実例を挙げます。

補正前

今日の資料なんだけどまだ少しかかりそうで、たぶん夕方くらいには出せると思う、すんません

補正後

本日の資料ですが、まだ少しかかりそうです。 たぶん夕方くらいには提出できるかと思います。 申し訳ございません。

直っているのは語尾だけではありません。読点でつながっていた一文が3つに分かれ、「すんません」が「申し訳ございません」になっています。一方で「たぶん」は残っています。 まだ確定していないという情報を消さないためです。

そして、補正の指示(プロンプト)は自分で書き換えられます。 「もっと固く」「誤字だけ直す」「社内の略称はそのまま残す」といったルールを一度決めておけば、以降は同じ基準で整います。詳しくはAI入力補正の記事に書きました。

3つの比較

Grammarly文賢MacSide AI
英語
日本語
得意なこと文法・スペル・トーン原稿の校閲・読みやすさ送信直前の整え
使う場所ブラウザ拡張・アプリ専用画面に原稿を持ち込む書いている場所のまま
指示のカスタマイズ限定的ルール設定ありプロンプトを自分で記述
価格年$144(年払い)月¥2,178¥280/月 または ¥9,800 買い切り

どう組むのが現実的か

英語を大量に書く人:Grammarlyを続けてください。日本語側だけ別で埋める形になります。

原稿の品質を職業として担保する人:文賢が向いています。読みやすさや冗長表現まで踏み込むのは専用ツールの強みです。

日英どちらも、日常のやり取りが中心の人:同じショートカットで両方を扱えると手数が減ります。MacSide AIのAI入力補正は、日本語でも英語でも同じ操作です。

3つ目の層は、実はかなり多いはずです。日本語のメールを20通、英語のメールを3通。どちらも「納品物」ではなく「やり取り」。この使い方なら、専用ツールを2つ契約するより、同じ操作で両方を通す方が続きます。

よくある質問

Grammarlyは本当に日本語に対応していませんか

英語向けのツールです。日本語の文法チェックや敬語の判定は行いません。

日本語の敬語チェックだけしたいのですが

MacSide AIのAI入力補正で、くだけた表現を場にふさわしい表現に整えられます。プロンプトで「敬語にするだけ」といった指示に絞ることもできます。

文賢との使い分けは

原稿として仕上げる文章は文賢、日々のメールやSlackはAI入力補正、という分け方が自然です。目的が違うので、併用にも意味があります。

英語も同じ操作で直せますか

同じショートカットで英語の文章も整えられます。日本語と英語を行き来する日でも、操作を覚え直す必要はありません。

文章の意味が変わりませんか

書き直しではなく補正を目的にしています。結果はクリップボードに入るので、貼る前に必ず確認できます。

「対応していない」を確認してから、次を考える

Grammarlyが日本語に対応していないのは、手抜きではありません。英語に特化したからこそ、あの精度が出ています。

だから正しい順番は、Grammarlyに日本語を期待するのをやめて、日本語側をどう埋めるかを別に考えることです。

原稿を仕上げるなら文賢。日々のやり取りを送る前に整えるなら、選んでショートカットを押す方式。自分が書いているものが「原稿」なのか「やり取り」なのかで、選ぶ道具は変わります。