Macで画面を録画して、あとで再生したら音が入っていなかった。
この経験をした人は多いはずです。しかもマイクはオンにしていた。自分の声は入っている。でも、動画の中で再生していたはずの音や、通知音や、アプリの効果音が、まったく入っていない。
これは不具合ではありません。macOS標準の画面収録は、システム音を録らない設計です。
まず、標準でできること
⌘ + Shift + 5 を押すと、画面下部に撮影パネルが出ます。
| ボタン | 動作 |
|---|---|
| 画面全体を収録 | ディスプレイ全体を録画 |
| 選択部分を収録 | 指定した範囲だけを録画 |
「オプション」を開くと、次の設定ができます。
- 保存先:デスクトップ以外の場所へ変更
- タイマー:5秒・10秒の遅延
- マイク:内蔵マイクや外部マイクを選択
- フローティングサムネイルを表示
- クリックしたところを表示:クリック時に黒い円が出る
最後の「クリックしたところを表示」は、意外と知られていません。操作説明を録るなら、まずこれをオンにするだけで見やすさが変わります。
QuickTime Playerからも同じ録画ができ、撮ったあとに前後をトリミングできます。短い録画を撮って、いらない部分を切って渡すまでなら、標準で完結します。
システム音が録れないのはなぜか
macOSでは、アプリが出す音(システム音)を、別のアプリが横取りして録音する経路が、標準では用意されていません。
セキュリティとプライバシーの設計方針によるもので、macOSではマイク入力と、システム内部の音声出力が明確に分けられています。画面収録に含められるのは、マイクから入る音だけです。
つまり、標準の画面収録で音を残そうとすると、
- スピーカーから音を出して、それをマイクで拾う
という方法になります。当然、音質は落ちます。周囲の雑音も入ります。ヘッドホンをしていると何も録れません。
回避策として、仮想オーディオデバイス(BlackHoleなど)を入れて、システム出力をループバックさせる方法があります。ただし、これは追加のドライバをインストールし、音声の出力先を切り替える設定作業が必要です。録画のたびに切り替えを忘れると、また無音の動画ができます。
MacSide AIの画面収録スタジオは、システム音ごと録画できます。 設定の切り替えを毎回意識する必要がありません。録画後に「システム音量」で後から調整することもできます。
標準では届かない、もう4つのこと
音以外にも、操作説明の動画を作ろうとすると足りない部分が出てきます。
1. どこを見ればいいか分からない
画面全体を録ると、書き出した動画では文字が読めません。スマホで見る相手ならなおさらです。説明したい場所に寄る(ズームする)機能は、標準にはありません。
手動でやるなら、Final CutやDaVinci Resolveでキーフレームを打つことになります。3分の説明動画のために1時間かける、という状況になりがちです。
2. 押したキーが映らない
⌘Vを押したのか、⌘Cを押したのか、映像には残りません。ショートカットの説明なのに、肝心のショートカットだけが映っていないという状態になります。
口頭で「コマンドVを押します」と言うか、あとからテロップを1つずつ手で置くしかありません。
3. カーソルが小さくて追えない
「クリックしたところを表示」で黒い円は出ますが、カーソル自体を大きくする、動きを滑らかにするという調整はできません。実際の手の動きは細かく揺れるので、視聴者は目で追うのに疲れます。
4. 間延びした部分だけを詰められない
録画には必ず読み込み待ちや言いよどみが入ります。QuickTimeでできるのは前後のトリミングだけで、途中の一部分だけを2倍速にするといった編集はできません。
比較
| macOS標準 | MacSide AI | |
|---|---|---|
| 画面全体・範囲の録画 | ○ | ○ |
| マイク音声 | ○ | ○ |
| システム音(内部音声) | —(別途ドライバが必要) | ○ |
| クリック位置の表示 | ○(黒い円) | ○ |
| クリックに合わせた自動ズーム | — | ○ |
| 押したキーの画面表示 | — | ○ |
| カーソルの拡大・滑らか化 | — | ○ |
| 部分的な速度変更 | — | ○(0.5x〜3x) |
| 前後のトリミング | ○(QuickTime) | ○ |
| 背景・角丸・影 | — | ○ |
自動ズームとキー入力表示については、画面収録スタジオの記事で実際の画面とあわせて説明しています。
標準で足りる場面
念のため書いておくと、標準で足りる場面は多いです。
- 不具合の再現手順を、短く録って開発に渡す
- 数十秒の操作を、口頭説明つきで撮る
- 会議の画面を記録として残す
- 音が要らない動作確認
これらは ⌘⇧5 で十分です。「クリックしたところを表示」をオンにして、必要ならQuickTimeで前後を切る。それ以上の道具は要りません。
足りなくなるのは、他人に見せる説明動画を作るときです。 マニュアル、オンボーディング、顧客向けの手順説明。ここで初めて、ズームとキー表示と音が必要になります。
よくある質問
標準で内部音声を録る方法はありませんか
仮想オーディオデバイス(BlackHoleなど)を導入し、出力をループバックさせる方法があります。追加のインストールと設定変更が必要です。
スピーカーから出して録るのは駄目ですか
録れますが、音質が落ち、周囲の雑音も入ります。ヘッドホン使用時は録れません。
「クリックしたところを表示」はどこにありますか
⌘⇧5 の撮影パネル →「オプション」の中にあります。
録画の保存先は変えられますか
同じ「オプション」から変更できます。
QuickTimeで編集はできますか
前後のトリミングができます。途中の一部だけを速くする、ズームを入れるといった編集はできません。
足りない理由を知ってから選ぶ
「Macの画面録画で音が入らない」は、設定ミスではなく仕様です。これを知らないまま何度も撮り直した人は多いはずです。
そして、標準で足りないのは音だけではありません。他人に見せる動画を作ろうとした瞬間に、ズーム・キー表示・部分速度という3つが同時に必要になります。
まずは ⌘⇧5 のオプションを開いて、「クリックしたところを表示」をオンにしてみてください。そこで足りるなら、それが正解です。足りないと分かってから、道具を足せばいい。