Setappは、よくできた仕組みです。
数百のMacアプリが、ひとつの月額で使い放題。CleanShot X、Bartender、Ulysses、TablePlus、Paste——単体で買えば数千円〜数万円するアプリが、契約している間は全部使えます。新しいアプリを試すコストがゼロになるというのは、本当に価値のある体験です。
問題は、その体験にいくら払っているかを忘れやすいことです。
まず、現在の金額を確認する
Setappの料金は、公式ページによると次の通りです。
| プラン | 月額 | 対象 |
|---|---|---|
| Mac | $14.99/月 | Mac 1台 |
| Mac + iOS | $18.99/月 | Mac 1台 + iOS 4台 |
| Power User | $22.99/月 | Mac 4台 + iOS 4台 |
年払いにすると最大40%引きになります。1ドル160円換算で、いちばん安いMacプランの月払いが約¥2,400/月、年間で約¥28,800です。
これは「Macアプリのサブスク」としては、かなり大きな金額です。動画配信サービス3つ分くらいの感覚があります。
損益分岐点は「4〜5本」
Setappが得かどうかは、実際に開いているアプリの数で決まります。単純な計算をしてみます。
月$14.99 = 年$179.88。仮に買い切りのアプリを平均$30とすると、年間で6本分に相当します。ただし買い切りは翌年も使えるので、5年で見ると話が変わります。
| 使っているアプリ数 | Setapp 5年(月払い) | 個別に買い切り(平均$30) |
|---|---|---|
| 2本 | 約$900 | 約$60 |
| 4本 | 約$900 | 約$120 |
| 8本 | 約$900 | 約$240 |
| 15本 | 約$900 | 約$450 |
買い切りで揃う種類のアプリなら、本数が少ないほどSetappは割高になります。
逆に言えば、Setappが有利になるのは次の場合です。
- 継続的にアップデートが必要なアプリを多数使っている
- サブスク型のアプリ(月額課金のもの)を複数使っている
- 常に新しいアプリを試す習慣がある
- iPhoneやiPadでも使いたい
ここで正直な話をすると、多くの人は3〜4本しか開いていません。 契約直後は10本以上入れるのですが、半年後に日常的に起動しているのは、CleanShot Xと、あと2つくらい。これはSetappの欠陥ではなく、人間がそういうものだというだけの話です。
一度、自分が先週実際に起動したSetappのアプリを数えてみてください。その本数が、あなたにとっての損益分岐点です。
「解約したら全部消える」という設計
Setappの本質的な性質は、所有していないことです。
解約した瞬間、数百のアプリが全部使えなくなります。5年払い続けて総額$900を投じても、手元には何も残りません。これは音楽や映画のサブスクと同じ構造です。
これを欠点だと言いたいわけではありません。使わなくなったアプリを抱え込まなくていいのは利点でもあります。ただ、「毎年アップデート代を払うのが嫌で買い切りを探している人」にとっては、Setappは方向が真逆です。
そして地味に効くのが、やめにくさです。5年使っていると、作業のあちこちにSetappのアプリが埋め込まれています。解約は「アプリを1つ手放す」ではなく「作業環境を作り直す」になります。
MacSide AIとの比較
MacSide AIは、Setappの代わりになる存在ではありません。数百のアプリの代わりに、1本のアプリがあるだけです。
| Setapp | MacSide AI Pro | |
|---|---|---|
| 月額 | $14.99/月(Mac 1台) | ¥280/月(税込) |
| 買い切り | なし | ¥9,800(税込) |
| 内容 | 数百のアプリから選ぶ | 1本に機能がまとまっている |
| 解約後 | すべて使えなくなる | 買い切りなら使い続けられる |
| 対象 | 幅広い用途(執筆、DB、開発、家計簿など) | 作業中の小さなツール |
MacSide AIに入っているのは、AIチャット、⌘C+Cの翻訳、AI入力補正、クリップボード管理、ドロップ棚、OCR、スクリーンショット、スクロール撮影、画面収録スタジオ、画像・動画・PDFの圧縮、画像注釈、背景透過、モザイク、カラーピッカー、QRコード生成、ファイル変換、サウンドEQ、Mac覚醒、デスクトップ非表示、Macクリーンアップ、タイピングサウンド、ノッチのタイマー、作業時間の自動トラッキング。
これは「作業中にふと必要になる小物」の集合です。 UlyssesのようなライティングアプリでもTablePlusのようなDBクライアントでもありません。そういう本格的なアプリが必要なら、Setappか個別購入しかありません。
どちらを選ぶかの判断
Setappを続けるべき人
- 先週、Setappのアプリを5本以上起動した
- Ulysses、TablePlus、Bartenderなど、代替が難しいアプリを常用している
- 新しいアプリを試すこと自体に価値を感じている
- iPhone / iPadでも使っている
見直す価値がある人
- 先週起動したのは2〜3本だった
- そのうち1本はCleanShot X(スクショ)だった
- 使っているのが、キャプチャ・クリップボード・小物ユーティリティに寄っている
- サブスクを減らしたいと思っている
2つ目の層は、実はかなり多いはずです。そして、その用途はMacSide AIの守備範囲とほぼ完全に重なります。
年間約¥28,800を払い続けるか、¥9,800を一度払うか。使っているのが3本で、その3本が小物ユーティリティなら、後者で足りる可能性が高い。
よくある質問
Setappを解約すると、作ったデータはどうなりますか
アプリが使えなくなるだけで、書いた文章や保存したファイルが消えるわけではありません。ただし、そのアプリ固有の形式で保存したものは開けなくなる可能性があります。解約前に汎用形式で書き出しておくのが安全です。
年払いにすればもっと安くなりますか
公式によると最大40%引きになります。それでも年間で1万円以上の水準です。
MacSide AIはSetappに入っていますか
入っていません。MacSide AIは独立したアプリで、7日間の無料トライアル後に月額¥280または買い切り¥9,800で購入します。
両方使うのは無駄ですか
用途が重なる部分(キャプチャ、クリップボード)はどちらか一方で足ります。Setappでしか手に入らないアプリを使い続けたい場合は、併用にも意味があります。
Setappの方が新しいアプリに出会えますか
その通りです。これはSetappの明確な強みで、MacSide AIには同じ性質がありません。
数えてから決める
サブスクは、使っていなくても請求が止まらないという点で、買い切りと本質的に違います。そして人は、使っていないサブスクの存在を驚くほど忘れます。
Setappが高いかどうかは、金額だけでは決まりません。決めるのは、先週あなたが何本起動したかです。
5本以上なら、月$14.99は妥当です。むしろ安い。2本なら、その2本を単体で買った方がほぼ確実に安くなります。
まず数えてください。 話はそのあとです。