クリップボード履歴アプリを探すと、まずPasteが出てきます。

見た目が良く、動作が軽く、検索もピンボードもある。Macのクリップボード管理としては、ほぼ理想形に近いアプリです。ここに異論はありません。

判断が必要なのは、その料金を何に払っているのかという点です。

料金と、その中身

公式ページによると、Pasteの料金は次の通りです。

プラン価格
月払い$2.49/月
年払い$29.99/年(37%お得)
買い切りあり(金額はページ上で非表示)

年$29.99は、1ドル160円で約¥4,800/年。クリップボードアプリとしては標準的な水準です。

そして、Pasteの機能で他に代えがたいのは1つだと思います。

Pasteの本当の強みはiCloud同期

Pasteは、Mac・iPhone・iPadのコピー履歴をiCloud経由で同期します。

Macでコピーしたテキストを、iPhoneで貼る。iPadで見つけたURLを、Macで開く。iOSのキーボードから履歴にアクセスする。この体験は、Mac単体のクリップボード管理では絶対に実現できません。

さらに、アプリごとのルール設定(パスワードマネージャからのコピーは履歴に残さない、など)や、ピンボードでのスニペット整理も丁寧に作り込まれています。

外出先でiPhoneから作業する人にとって、Pasteの月$2.49は妥当です。 この記事は、その人たちに乗り換えを勧めるものではありません。

Macだけで完結している人の場合

一方で、こういう人もかなり多いはずです。

  • コピーするのも貼るのも、ほぼMacの中だけ
  • iPhoneで長文を書くことはあまりない
  • そもそもiCloudに作業内容を載せたくない

この場合、Pasteの料金のうち同期のための部分は使われていません。 そして同期を除くと、クリップボード履歴そのものは、他の方法でも十分に成立します。

MacSide AIのクリップボードと比べると、こうなります。

PasteMacSide AI
テキストのコピー履歴
画像のコピー履歴
検索
ピン留め・スニペット○(ピンボード)○(登録タブ)
iPhone / iPadと同期
iOSキーボードから利用
アプリごとの除外ルール
ファイルの一時置き(ドロップ棚)
履歴内の画像からOCR
価格年$29.99¥280/月 または ¥9,800 買い切り

差が出るのは、上下の太字の部分です。

MacSide AI側にしかないもの

ドロップ棚。 クリップボードのパネルに「ドロップ」タブがあり、ファイルを一時的に置けます。ドラッグ中に手を離せるようになるので、ウィンドウを切り替えてから渡す、別スペースのアプリへ運ぶ、といった操作ができます(詳しくはドロップ棚の記事)。

履歴内の画像のOCR。 履歴に入った画像には「OCR検出文字」ボタンが付いていて、画像の中のテキストをそのままコピーできます。スクショを撮る → 履歴に入る → 文字を取り出す、が同じパネルで完結します。

履歴の情報量。 各項目に、コピー元のアプリ名、経過時間、文字数が表示されます。「さっきArcからコピーしたやつ」を探すときに効きます。

これらは、クリップボード管理としては少し外側の機能です。「運びたいものは全部この中にある」という設計になっているのが違いです。

判断は、たぶんこれだけで済む

長く比べる必要はないと思います。判断は1問です。

Macでコピーしたものを、iPhoneやiPadで貼りますか。

貼るなら、Pasteです。 MacSide AIには同期がありません。年$29.99を払う価値は十分にあります。

貼らないなら、その分は使われていません。 Mac単体で完結するなら、クリップボード履歴だけのために年$29.99を払い続ける必要は薄い。しかもMacSide AIなら、同じ支払いでOCR、スクリーンショット、AIチャット、翻訳、画面収録、画像圧縮も付いてきます。

「同期は使っていないが、なんとなく契約が続いている」——もしそうなら、一度見直す価値があります。

よくある質問

MacSide AIのクリップボード履歴に上限はありますか

テキストと画像のコピー履歴を保存し、パネルから検索できます。よく使うものは「登録」タブに固定しておけます。

iPhoneとの同期は今後付きますか

現在はMac向けのアプリです。同期が必須なら、Pasteのような同期対応アプリを選んでください。

パスワードマネージャからのコピーを除外できますか

Pasteのようなアプリ単位の除外ルールは持っていません。機密性の高いコピーを履歴に残したくない場合は、その点を考慮してください。

ファイルも履歴に残りますか

ファイルは「ドロップ」タブに置く形になります。テキストや画像の履歴とは別のタブで管理されます。

併用はできますか

できます。ショートカットが衝突しないよう、どちらかの割り当てを変更してください。

使っていない機能に、毎年払っていないか

サブスクの見直しで効くのは、値段そのものより**「その機能を先月使ったか」**という問いです。

Pasteの同期は、使っている人にとっては手放せない機能です。使っていない人にとっては、存在しないのと同じです。そして厄介なことに、使っていないことに気づきにくい。

先月、iPhoneでクリップボード履歴を開いた回数を思い出してみてください。0回なら、払っているのはMacのクリップボード履歴に対してだけ、ということになります。